高知県はかつて「土佐国」と呼ばれていました。ここは、食べ物がとても美味しく、特に食通におすすめです。代表的な食べ物といえば、鰹(かつお)があります。静岡県や宮崎県など、鰹が獲られる都道府県は他にもありますが、ここの漁法が特徴的です。それは、一本釣りという漁法を用いていて、1本の釣り糸で鰹を1匹ずつ釣り上げる方法です。一本釣りで鰹を獲ることで他の鰹と接触せず、新鮮な状態を保ちつつ釣り上げることができます。また、ここでは、少し異なる形で鰹を食べます。日本で魚を食べる時、生のままや焼き魚が一般的なのに対し、「たたき」という形で鰹を食べます。これは、鰹の外側を炙り焼きにし、中が生の状態です。「鰹のたたき」と呼ばれているこの食べ方は、高知県が発祥地で、このように鰹を食べることが一般化しました。
高知県の伝統工芸品も有名です。その1つは、「土佐和紙」と呼ばれている和紙です。「和紙」は日本古来の紙で、土佐和紙は高知県の伝統的な紙です。約1000年の歴史を持つこの和紙は、延長5年(927年)に完成した「延喜式(えんぎしき)」という書物の中に記録されています。日本三大和紙の1つである土佐和紙は、御用紙漉きの家に生まれた吉井源太が発明した連漉器(れんすきき)により、簡単に和紙を大量に生産できるようになりました。また、紙自体を薄くすることができました。連漉器での紙の生産量は2倍から3倍に上がり、土佐和紙は日本一薄い和紙にもなりました。とても丈夫な紙で、破れにくいです。
高知県は祭りが有名な都道府県としても知られています。代表的な祭りは「よさこい祭り」です。昭和29年(1954年)8月に高知県高知市で始まったお祭りです。不景気風を吹き飛ばし、市民を元気付ける目的で高知商工会議所で行われました。他の祭りと異なり、参加者は鳴子(なるこ)という楽器のような小道具を手に持ちながら踊ります。畑にいる鳥を追い払うための物がこの道具の始まりと言われています。また、この祭りの衣装が他の祭りと異なります。元々、参加者は全員伝統的な日本の着物や法被などで踊っていました。勿論、伝統的な服装で参加する人がいるものの、決まりがないようです。洋服など、現在は様々な服装で踊ります。
高知県は、有名な歴史的人物が生まれた地でもあります。その1人は、日本のために大きく貢献した坂本龍馬です。天保6年(1835年)11月15日〜慶応3年(1867年)11月15日に生きたこの人物は、優秀な剣術家でした。当時、戦っていた長州藩(山口県)と薩摩藩(鹿児島県)が仲直りできました。その上に、長崎県で日本最初の商社と言われている「亀山社中」の設立にも関わり、業績をいくつか残していた優秀な日本人の1人でした。格好良かった男性と言われていて、看板など、高知県内はあちこちに坂本龍馬の姿を見かけます。坂本龍馬の銅像もいくつかあり、高知県民に対する愛がはっきりと伝わります。
高知県は公共交通機関で訪れる場所もあれば、車の方が訪れやすい場所があります。自然豊かで人が少ない所が好きな人でも、人が沢山いる栄えている所が好きな人でも、どんな形の旅でもここでできます。魅力が溢れるほどあり、是非日本旅の予定に追加して下さい。