著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2025年05月18日
住所:〒790-0842 愛媛県松山市
道後湯之町5−6
入場料:神の湯階下・大人 700円・小人 350円|
神の湯2階席・大人 1300円・小人 650円|
霊の湯2階席・大人 2000円・小人 1000円|
霊の湯3階個室・大人 2500円・小人 1250円|
霊の湯3階貸切室 しらさぎの間・1組 6000円 +
大人 1300円・小人 650円|
霊の湯3階貸切室 飛翔の間・1組 3000円 +
大人 1300円・小人 650円|
又新殿・大人 500円・小人 250円
日本全国には数多くの温泉(地中から自然に湯が湧き出る泉)があります。その中でも温泉で知られる都道府県の1つが愛媛県です。近年、愛媛県の温泉は国内外の観光客から注目を集めています。ここには、他にはない特徴を持つ素晴らしい温泉があります。その代表が、松山市にある「道後温泉」です。道後温泉は日本最古の温泉として知られ、約3000年の歴史を持つと言われています。
ここの建物(道後温泉本館)は、明治27年(1894年)に建てられました。平成6年(1994年)12月27日には、公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されています。1歩踏み入れると、別世界へ誘われるような圧倒的な造りが広がっています。世界的に有名なアニメーション制作会社「スタジオジブリ」は、この温泉の一部をモチーフに作品に取り入れました。映画『千と千尋の神隠し』には、この建物を思わせるような建物が描かれています。
現代の日本アニメーションだけでなく、有名な作家・夏目漱石の作品にも道後温泉が登場しています。夏目漱石の『坊っちゃん』という小説にも道後温泉本館が描写されていて、この作品の主人公がよく通っていました。スタジオジブリの作品にも取り上げられていますが、特に夏目漱石の作品により、この温泉は広く知られるようになりました。
道後温泉本館は3階建てです。1階は浴室、2階は休憩室、3階は貸切の休憩室です。1階の浴室は非常に深く、底に腰を下ろせないほどの深さがあり、入りにくいと感じる人もいるでしょう。しかし、このような造りは珍しく、この温泉ならではの特徴です。最初は戸惑うかも知れませんが、他では中々味わえない特別な入浴体験で、この温泉ならではの魅力の1つです。浴室は天井が高く、非日常の空間に迷い込んだような感覚になります。風呂で体を癒した後に、2階でゆっくり休むのもおすすめです。階ごとに入場料が異なりますが、休憩室では緑茶や和菓子が提供され、外の景色も楽しめるので、旅の思い出として心に残るでしょう。
この温泉のもう1つの魅力は、便利な立地です。道後商店街(道後ハイカラ通り)の出口付近に位置していて、買い物や食事を楽しむのに最適です。様々な入浴用品から愛媛県の定番土産まで、観光客に人気の品が揃っています。また、飲食店も多く、鯛めしや蜜柑(みかん)ジュースなどの名物を思う存分味わえます。そして、地酒を提供する店もあり、地元ならではの味を堪能できます。公共交通機関で道後温泉を訪れる人は、最寄り駅からこの商店街を通り抜けると温泉に辿り着くので、見落とすことはないでしょう。
日本全国には、毎日でも入りたくなるほど素晴らしい温泉が数多くあります。しかし、本や映画で取り上げられ、これほど多くの日本人に親しまれている温泉は、道後温泉以外にはないでしょう。人気の観光地であるため、他の温泉街ほど静かとは言い切れないものの、愛媛県を訪れる時には、この特徴的な温泉に是非入ってみて下さい。
2階の休憩室です。