著者:リチャード・パーキンス
撮影日:2024年06月17日
住所:〒945-0063 新潟県柏崎市
諏訪町10−17
入場料:大人 500円・(団体)400円|
中学生 200円(団体)160円 |
小学生 100円・(団体)80円|未就学児 無料
海外では、和食や日本のアニメーションなどが大人気で、それを契機に日本に留学や観光、就職活動という目的で来日する外国人が急増しています。近年、日本は少しずつ外国人で賑わう国になってきているものの、昔から積極的に外国人を受け入れる国ではありませんでした。江戸時代(1603〜1868年)は鎖国の時代で外国人の入国を禁止していた時代でした。明治時代(1868〜1912年)に入ると外国人の入国が許可されても、今程外国人が来日することはありませんでした。そのため、日本は長い間、そこまで知られていない、多くの人にとって不思議な国でした。そんな時代の中でも何らかのきっかけで日本文化に興味を持つようになった外国人はいました。その外国人の1人は、日本に恋をしたアメリカ人であるドナルド・キーンです。
ドナルド・キーンは2019年に他界しました。これで戦争を経験した親日家が世の中にいなくなったと言われています。ドナルド・キーンは日本文学に世界的に高い価値があると感じました。一生をかけ、太宰治や三島由紀夫などの有名な作家の本を英訳し、日本文学の素晴らしさを世界に知らせました。また、日本に関する本を英語や日本語で沢山出版しました。自分が見た日本はどういう国なのか自分の言葉で伝えました。ドナルド・キーンが出版した本はどれも日本が大好きな気持ちがはっきりと伝わる物ばかりです。この親日家は興味深く、経験が豊富な人生を歩んでいました。新潟県柏崎市に「ドナルド・キーン・センター柏崎」があります。ここは、どういう人生を歩んだのか、出版した本はどんな内容の物なのかドナルド・キーンに関して詳しく学べる資料館です。
上記の通り、ドナルド・キーンは戦争を経験しました。戦争中に日本語を学び、後に日本軍が書いた日記などの翻訳を任されました。ドナルド・キーン・センター柏崎では、時間が経てば経つほど、敵だと見做された日本がより好きになったドナルド・キーンの戦争での思い出や様々な体験に関する展示があります。その気持ちを知った時は誰もが驚き、この親日家のことを自然ともっと知りたくなるでしょう。翻訳された本も紹介されていて、日本がまだそこまで海外で知られず、人気ではなかった時代に多くの日本の小説を翻訳しています。
この資料館の1番の見所は、ドナルド・キーンがニューヨーク・シティに在住していた時のマンションの実物大模型です。映画の「三丁目の夕日」を手掛けたスタッフが作り上げました。ニューヨーク・シティのマンションを実際にお邪魔したかのように感じるほどよく再現されています。※ここのみ写真撮影が許可されています。
ドナルド・キーンは、東日本大震災を契機に日本国籍の取得を決意し、帰化しました。東日本大震災の映像を見た時に実際に使用していたテレビやよく着ていたスーツがここに展示されています。
ドナルド・キーンは、日本の国籍を取得し、日本人として最期を過ごそうと決意したほど日本が大好きでした。そして、この親日家の翻訳が存在していなければ、多くの日本の作家は海外で現在も知られていないでしょう。定番の観光地から外れていますが、日本文学を支えたと言えるドナルド・キーンのことを学びに、ぜひドナルド・キーン・センター柏崎を訪ねてもらいたいです。